普段の研究の様子の紹介

 私が研究している「射影平面」と呼ばれる幾何対象を理解するために役立つ模型を動画で紹介します。
今回動画で紹介するのは、Boy曲面と呼ばれる曲面内の three-bladed propeller の近傍を表現した模型です。
Boy曲面は射影平面と呼ばれる幾何学において重要な曲面を3次元空間で目に見える形にしたものです。
射影平面は3次元空間に実現できない曲面なので、本来なら目に見えない図形ですが、Boy曲面は3次元空間で可視化したいという願いを叶えた曲面です。
このBoy曲面の理解の鍵となるthree-bladed propellerとはこの模型の中心線のことで、これは3枚の羽がついたプロペラのように見えることから、このように呼ばれます。
この模型はBoy 曲面の骨組みを表していて、中心点から出発して赤と青の細⻑い帯が3枚の羽をそれぞれ1回ずつ通るように1周し、2周目は1周目の帯に直交するように通り、出発点の中心点に戻ってくるように作ってあります。この模型に4枚の円板を貼るとBoy曲面になります。
 私が研究対象としている図形は目に見えない抽象的な図形なので、想像することが難しく、理解することはとても難しいのですが、自らの手で模型を作ったり、コンピュータで図を描画したりするなどして、自ら理解の手助けをしています。特に、模型を作る際には、図形がどのように作られているかを考えながら製作することで、図形が数学的にどのように構成されているかを理解することができます。このように、可視化できるようになることはとても面白く、日々楽しく研究に取り組んでいます。

博士前期課程2年次 板鼻佑奈

three-bladed propellerの近傍を表現した模型の紹介

数理科学コースで自分の目標にチャレンジ

 私は競技プログラミングのサイトで競技プログラミングをしています。2年生の春に授業でC言語を学んでいた時に友人に誘われたのがきっかけです。このサイトのコンテストでは, オンラインで出された課題に対して, 解いた数と時間を競います。
 今回私は, 私と同レベルの初心者が競い合うトーナメント式のコンテストに参加し, 決勝戦に進むことができました。残念ながら対戦相手に敗れ, 準優勝という結果になりましたが, 自分の実力が試せたこと, 成長が感じられたこと, 課題が見えたことなど, 良い経験になったと思います。
 数理科学コースでは, 自分の選択で様々なことにチャレンジする時間があると思います。専攻の数学以外でも何かにチャレンジしたいと考えているのであれば, 自由度の高い数理科学コースに来てみてはどうでしょうか。

4年次 大塚楓太
ABCトーナメント(AtCorder主催)準優勝 2021年4月

「高等学校における数学教育のICT事情について」の講演会を開催します

高等学校における数学教育のICT事情について、毛内 一元先生 (学校法人東奥義塾高等学校教諭,数学科主任・ICT教育推進委員会)に講演していただきます。

 日時 2021年3月19日(金) 14時00分から16時00分まで
    (40分程度の講演に続き質疑応答や意見交換を予定)
 
 場所 Zoom によるオンライン開催

本講演会は,研究プロジェクト「数学活用のための概念の複層的理解を支援するためのウェブ教
材のデザイン」(研究費補助金基盤研究(C)(一般)20K3268 )の活動の一環として行うものです。

国際研究集会「The Fourteenth International Frontiers of Algorithmics Workshop (FAW 2020)」で学生が貢献した研究発表を行いました

国際研究集会「The Fourteenth International Frontiers of Algorithmics Workshop (FAW 2020)」(10/19-21, Haikou Hainan)において、星魁人君(山村研究室・2020年3月修士課程修了)が貢献した研究の発表を行いました。

「Two-way jumping automata 」というタイトルで2方向にテープヘッドがジャンプを許して動くオートマトンの言語受理能力とそのクラスの性質について国際研究集会 FAW2020(コロナウイルス感染症の影響でオンライン研究集会として開催)で研究発表を行いました。アルゴリズムに関する研究者が集まりインターネットを通して活発に討議を行いました。
修士課程を修了した星君は、オートマトンと形式言語理論に関する研究を実施し今回の研究発表に貢献しました。

研究成果は以下の論文に掲載されました。
Two-Way Jumping Automata,
Szilard Zsolt Fazekas, Kaito Hoshi, Akihiro Yamamura,
Frontiers in Algorithmics,
Lecture Notes in Computer Science,
Springer-Verlag Vol. 12340 pp. 108 – 120 (2020)

 

数理科学コース教員新屋良磨が オンライン国際研究集会OWLSにて若手研究者枠で招待講演を行いました.

数理科学コース教員新屋良磨が オンライン国際研究集会 Online Worldwide Seminar on Logic and Semantics (OWLS)にて若手研究者枠で招待講演を行いました.
https://www.cs.bham.ac.uk/~vicaryjo/owls/

OWLSは今年の4月から定期的に開催されている、理論計算機科学・論理学関連のオンライン国際連続集会です.
講演は毎回が招待制で、招待講演者がこの分野における重要かつ最先端の研究(“the most exciting recent work”)について講演し、聴衆とオンラインで交流・議論する場を設けることがOWLSの理念とされています.

新屋の講演資料はOWLSのサイトにて公開されています.
https://www.cs.bham.ac.uk/~vicaryjo/owls/slides/sinya.pdf

講演動画はYoutubeにて公開されています.
https://www.youtube.com/watch?v=EBvCPX_U3J0&feature=youtu.be

 

湯本純君(理論物理学研究室三角グループ)の論文がPhysical Review Dに掲載されました.

湯本純君と指導教員三角樹弘の共著論文「Varieties and properties of central-branch Wilson fermions」がアメリカ物理学会発行の学術誌Physical Review D Vol.102, No.03, 034516に掲載されました.

https://journals.aps.org/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.102.034516

この論文では,場の量子論の数学的定義を与えるとともに数値的解析法を提供する「格子場の理論」について研究を行い,Central-branch法と呼ばれる新しい定式化の特性と数値計算への有効性を明らかにしました.
Physical Review Dは素粒子論・高エネルギー物理分野で最も権威ある学術誌の一つです.

湯本純君は関係する格子場の理論の研究成果について日本物理学会でも以下の講演を行っています.
日本物理学会第75回年次大会(2020)講演番号:17pH31-12

 

新屋高等学校にて出前講義を行いました

日 時:令和2年7月31日(金)9時30分~11時15分
会 場:秋田県立新屋高等学校
担当者:小野田勝

新屋高等学校「3年部α登校日・(進路の日)」にて令和2年度「探求学習」の講師として数理科学コースの教員が出前講義を行いました.道具として見た数字とn進数、関数をベクトルとして見る、なぜ量子論が必要か、などについて双方向型の少人数授業を行い、参加者の皆さんに問いかけながら数理科学的なものの見方の面白さについて一緒に学習しました.また、数理科学コースにおける教育と研究の紹介を中心に理工学部の紹介を行いました.

数理科学コース教員三角樹弘が オンライン国際会議「Resurgence@KITP2020」にて招待講演を行いました.

数理科学コース教員三角樹弘がKavli Institute for Theoretical Physics(KITP), University of California, Santa Barbara主催のオンライン国際会議「Resurgence@KITP2020」にて招待講演を行いました.
KITPは世界有数の理論物理学研究拠点として知られる米国の研究所です.
講演は以下のyoutubeチャンネルなどから視聴可能です.

https://www.youtube.com/watch?v=x1xaS116N8U
http://online.kitp.ucsb.edu/online/resurgent_oc20/
 

国際研究集会「The 15th International Computer Science Symposium in Russia (CSR 2020)」で学生が貢献した研究発表を行いました

国際研究集会「The 15th International Computer Science Symposium in Russia (CSR 2020)」(6/29-7/3, Ural Federal University, Ekaterinburg, Russia)において、加瀬力君(山村研究室・博士後期課程1年)が貢献した研究の発表を行いました。

「Groupoid Action and Rearrangement Problem of Bicolor Arrays by Prefix Reversals」というタイトルで亜群(Groupoid)と呼ばれる代数系が自然現象の偏作用や偏対称性を表現することに適していることを示す実例に関して、6月末に始まった国際研究集会CSR 2020(コロナウイルス感染症の影響でオンライン研究集会として開催)で研究発表を行いました。代数学、離散数学、コンピュータサイエンスを結びつける研究としてインターネットを通して活発に討議を行いました。
博士後期課程1年の加瀬君は、加瀬君は博士後期課程で代数学、離散数学、コンピュータサイエンスに関する研究を進めており、今回の研究では再配置可能性を分類することに貢献しました。

研究成果は以下の論文に掲載されました。
Groupoid Action and Rearrangement Problem of Bicolor Arrays by Prefix Reversal,
Akihiro Yamamura, Riki Kase, Tanya Jajcayova,
Computer Science – Theory and Applications,
Lecture Notes in Computer Science,
Springer-Verlag Vol. 12159 pp. 419-431 (2020)