教員からのメッセージ

進路選択を迷っている方へ

ハワイ大学での学会参加時(ワイキキのビーチにて)


3年次ゼミ

 大学生活をより充実させる秘訣は、自分がおもしろい!やってみたい!と思うことをめいっぱいやってみることだと思います。それは勉強に限ったことではありません。でも、秋田大学では先生(研究者)や大学院生の先輩達ともぐっと距離が近づきますので、ぜひ間近で見て、トライしてみましょう。あなたが何を面白く感じるはわかりません。でも、少なくともそこで研究している研究者がすごく楽しんでいることは確かです。数理科学コースにはとても幅広い分野の研究者がいますので、興味をもてる研究にきっと出会えますよ。一緒に楽しめるのを待っています。自分で問題を見つけ、解決に必要なアイテムを考え、一つずつクリアして行った先には、やった人にしか分からない景色がありますよ。
 私が大学生だったときに数学のゼミに配属され、そこで初めて研究をする機会に出会えました。自分で問題を見つけ、解決するために試行錯誤することで、それまで楽しくはあっても何となく過ごしていた日々は一変しました。(今もですが)何度も壁にぶつかりましたが、自分のやりたいことをやりたいようにやらせてもらえて、とても刺激的で充実していました。それに研究を通して日本各地、世界中に研究仲間ができたことも嬉しかったです。いろいろなバックグラウンドをもつ人たちと話すことが出来て、すごく世界が広がりました。例えば、日本の数学分野には比率として男性研究者が多いですが、海外の研究会に参加すると日本よりずっと多くの女性研究者がバリバリ研究していて、面白い話をたくさん聞くことが出来ました。打ち込めることに出会わなければきっと視野が狭いまま、狭いことに気づけなかったでしょう。自分の面白いと感じたことを貫いてすごく良かったなと思っています。
 数理科学コースでは様々な学生が在籍し、皆で切磋琢磨しながらも、各学生のやりたいことに対して、少人数のゼミや留学制度、研究への機会など、細やかな対応がなされています。長いようで短い大学生活、これが自分の楽しいことだ、めちゃくちゃ頑張ったことだと言えることを一緒に探しましょう。

(連続系数学:橋爪 惠)

「はじめの一歩」

ワインボトル型をしたBerry曲率 物理現象の背後にひそむ数理構造とその本質を明らかにし,新たな現象を予測しようとする試み。それが理論物理学だと言えます。少々お堅い or 古めかしい印象をもたれているかもしれませんが,実は今でも新たな発見が後を絶たないとてもホットな分野なんですよ。数式や計算機を駆使する場面も多くお世辞にも取っ付きやすい学問とは言えませが,それらを通して世界を眺め直してみるとなかなか味わい深いものがあります。物の色はどうやって決まるのか,どうして電気を流すものと流さないものがあるのか,一見関係なさそうな事が電子や光子が持つ波動性と粒子統計から統一的に理解できるなんて,,,じんわり沁みてきませんか。興味を持った方,まずは遊びにきてください。

(理論物理学:小野田勝)

インテグラル(数理科学コース誌・毎年発行)より

数理科学コースでは毎年4月にコース誌「インテグラル」を発行しています。過去の「インテグラル」から、教員からのメッセージ記事を掲載します。

Vol.8(2021年4月1日発行)

Vol.7(2020年4月1日発行)

  • 関連付ける能力(2020年度コース長・河上肇)
    筆者は数学を専門にしていますので、入学された皆さんに大切だと思って欲しい数学の学力について述べてみたいと思います。数学の学力と言うと、真っ先に思い浮かぶのは問題を解くことではないかと思います・・・
  • 意味、価値、正しさ(数理科学コース教員・中江康晴)
    「数学の研究には『意味』と『価値』があるよね」という研究室の先輩の言葉を、ふと思い出すことがあります。この二つの言葉が指し示すものは、数学の、特に研究の立場からはどうみえるでしょうか・・・

Vol.6(2019年4月1日発行)