留学体験記

数理科学コース4年次
佐藤龍之介

私は、2022年6月から2023年4月の間、カナダのセントジョンズに位置するニューファンドランドメモリアル大学に留学していました。私は留学の相談に行った時期が遅かったので学生ビザの申請が直前になってしまったことやそもそもコロナウイルスの影響で留学が行けなくなる可能性があったことなど、様々な心配事がある中での留学でした。しかし、国際課の担当の方と留学準備を進めていったことで予定通りに留学を開始することができました。
まず初めに、私はコーナーブルックのグレンフェルキャンパスで6月から8月までESLのサマープログラムに参加していました。これは、留学当初、私の提出したTOEICのスコアが語学条件を満たしておらずESLを卒業した後にコンピュータサイエンス学科の授業を履修できることになっていたからです。ESL当初は、英語力不足で友達ができるか不安でしたが、ESLには多くの韓国の学生が参加しており、他にも派遣先大学の一年生も参加していた為、課題や試験の他に日常的に彼らと関わる中で親しくなり、多くの友達ができました。またESLでは、ペアでのインタビューやグループでの劇などのグループ課題が多く、練習の為に放課後や夜に皆で集まり練習したり休憩の合間に買い出しに行ってご飯を作って食べたりするのが非常に楽しかったです。
無事にESLを卒業した後は、9月の秋学期からセントジョンズキャンパスでコンピュータサイエンスについて勉強しました。具体的には、ネットワークシステムに学ぶ講義やSQLを用いてデータの扱い方やその仕組みについて学ぶ講義、その他にもコンピュータグラフィクスの講義や効率的なアルゴリズムを考える講義、計算複雑性に学ぶ講義を受講していました。特に印象的な講義は、コンピュータグラフィクスに関する講義”3301 Visual Computation and Applications”です。PythonのOpenCVというライブラリを用いて、実際に、写真の物体の輪郭を検知するプログラム(Edge-detection)を作る課題で、初めは全くできませんでしたが徐々にPythonの書き方やコーディングの仕組みなどが分かりプログラムが形になっていくのが楽しかったです。また、”3201 Introduction to Nature-Inspired Computing”という講義では、コンピュータが問題を解く上での最適化のプロセスがどのようになっているか、さらにそれをプログラムを書きながら学びました。この講義の課題は、Javaでコーディングを行うのですが、初めは書き方をほとんど知らなかったことに加え、この講義が3年生向けの講義である為、周りに置いて行かれていました。しかし、おいて行かれているのが悔しかったのでクラスの学生に聞き、教授に相談しながら課題に取り組んでいきました。その結果、Javaでのコーディングにも慣れ、最終的課題では満点をもらうことができました。以上のような経験は、今後エンジニアとして働きたいと考えている私には、コーディングについてしっかり学ぶ良い機会になりました。
また英語の面では、授業や生活をしている時にESLを卒業したけれども英語力が足りないと感じることが何度もあり、辛く感じるときもありましたが、ESLからの友人や寮の友達、授業で親しくなった学生とコミュニケーションを取る中で着実に英語力を養うことができたと思います。また、冬休みには約一週間のニューヨーク旅行に行きました。その時には、乗り継ぎ便のフライトに乗り遅れるというトラブルがありましたが英語で自分の現状や要求を伝えることができ予期せぬトラブルにも対処することができました。また、ニューヨーク旅行は、初めての海外旅行だったので非常に楽しく多くの貴重な体験をすることができました。秋学期には、英語力に自信が付いてきていたので、現地の3,4年生向けの講義を履修しました。特に、4年生向けの講義で履修した計算複雑性に関する講義はとても興味深く、今後の研究のテーマにしようと考えています。
10カ月間の留学で、新しい環境で生活し英語を通して友達もでき生活にも慣れていきました。最終的には、セントジョンズの街を離れるのが寂しかったです。将来的には、エンジニアとして海外で就職したいと考えているので、今後も英語の勉強を継続し、エンジニアの経験をする為にエンジニアインターンシップに参加するなどの”私が今やりたいこと”に色々と挑戦していきたいです。

セントジョンズキャンパスの寮

計算複雑性の講義の様子

コンピュータグラフィクスの講義のコーディング課題に取り組んでいる様子

帰国する際にセントジョンズキャンパスの寮の友人たちと撮った写真

ニューヨーク・ブルックリンの街並み