基研研究会・iTHEMS研究会 2022「格子上の場の理論と連続空間上の場の理論」参加報告(理論物理学研究室 湯本純)

博士後期課程2年の湯本です。標記の研究会にて「グラフ理論と位相不変量に基づくdoublerの最大個数についての考察」というタイトルで口頭発表を行いました。

 当研究会は、格子上の場の理論に関する近年の理論的進展を主たるテーマとして、格子上の場の理論と連続時空上の場の理論の関係を理解することを目的に企画された研究会となります。開催日程は7/19-22の4日間で、対面で行われました。
https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~lattice-qft2022/home.html

発表概要については以下の通りとなります。
 格子ゲージ理論において、ダブリング問題はNielsen・二宮のno-go定理により定式化されている。しかし、離散化された一般次元多様体上におけるfermion自由度(doubler)の最大個数は、このno-go定理では説明することができない。したがって、離散化された一般次元多様体上におけるdoublerの最大個数について言及する新たな定理の構成が必要不可欠となった。この新たな定理の構成に向けた議論として、今回の発表では、(1)グラフ理論から着想を得た新たな格子Dirac演算子の解析方法、及びdoublerの個数が格子Dirac演算子の退化次数であることを説明する。(2)位相不変量であるBetti数に着目した新たな定理の予想とその考察について議論していく。