研究詳細(河上 肇)

 主に逆問題を研究しています。例えば, スイカの中がどうなっているか分かっていれば、叩いた時どんな音がするかは計算で分かります。でも, 叩いた音からスイカの中を推測するのは難しい。前者は順問題の例で, 後者は逆問題の例です。私は, 逆問題の中でも, 特に「未知の形を推定する逆問題」を数学的に研究しています。さらにその中でも拡散方程式(熱方程式)に関連する逆問題が主です(温度から未知形状を推定する問題です)。(理論的な事だけで無く、コンピューター・シミュレーションもしています。) 逆問題は, データから未知の何かを推定する問題なので, データサイエンスとも深い関係があります。最近では, データサイエンスにおける重要な方法であるベイズ推定法も用いて、上記の逆問題を考察しています。
 私の研究では, 数学的ツールとして, 積分とそれを基礎とする確率論(ベイズ推定法は確率論における方法のひとつです)を主に使っています。その際用いる積分(ルベーグ積分)と高校で習う積分(リーマン積分)を図にすると,下のような感じです。

 AI (と呼ばれるもの)の代表のひとつとして, 人工ニューラルネットワークが知られています。人工ニューラルネットワークは, 多くの場合, データを用いて作ります。人工ニューラルネットワーク以外にも, データを用いて作られる AI はいろいろあります。 これらの AI をデータを用いて作ることを「機械学習」といいます。機械学習(による AI の作成) は逆問題の一種であると考えることができます。最近は、私も機械学習に関心を持っています。